税関のデータによると、4月、中国のHSコード29171200で定義されている、アジピン酸、その塩およびエステルの輸入量は788トンに達し、前月比12.65%増、前年同月比57.24%減、輸入額は合計1,981,985米ドルで、平均輸入価格は2,515米ドル/トンであることがわかりました。輸出量は4万1,996トンで、前月比45.07%増、前年同月比21.76%増、輸出額は80,581,189米ドルで、平均輸入価格は1,919米ドル/トンであることがわかりました。
中国のAAおよびその塩とエステルの2020〜2021年の月間輸出入量(単位:トン)
4月の中国のAAおよびその塩とエステルの輸出における仕向け地別のシェア(単位:トン)
4月の輸入量は、前月比微増で年初来の高水準となったものの、国内需要低迷の影響か、前年同月(202104)比で大きく減少しています。
輸出は、国内市場の低迷によりメーカーが値下げを余儀なくされるなか、パンデミックの影 響を受けない海外市場からの需要が急増したので、4月の輸出台数は前月比45.07%増となり、こちらも年初来の高水準となりました。国内アジピン酸市場はCOVID-19の大流行で大きな打撃を受けているため、輸入量は前年同月に比べ大幅に減少しています。
市場見通し:5月は需要の低迷により、4月に続き国内AA相場が大きく下落しました。従って、5月の輸入量は低水準に留まり、4月を下回る可能性もあると見られています。輸出については、価格が頭打ちであることに加え、COVID-19の影響で中国税関が輸出規制を強化したため、5月の輸出量も4月より減少すると予測されています。相場が上昇するのは、COVID-19の流行が収束し、需要が回復する6月以降であるとされています。