TDI
12月の中国TDI価格(ICIS/LOW)は、引き続きサプライヤーの供給がタイトな状況が続いているものの、需要が旺盛で無い状況が続いており、価格変動の影響はあまり見られず、12月末にかけて変動が無かった。一方、中国国内価格(ICIS/LOW)においては、月末にかけ、CN¥16,300/MT付近となり、前月末比でCN¥400/MT下落した。来月は春節に向けて、需要が若干回復するとみられる。
ASEAN価格(ICIS/LOW)も、需要自体は旺盛ではない状況が継続する中で、サプライヤーの定修終了もあり、12月末時点で前月比▲$50/MT下落した。北米においても、需要が旺盛で無い中、価格の変動は見られなかった。欧州は、引き続き需要の停滞状況が続いており、市況は若干下落に転じている。
日本の通関統計によると、11月度の中国からのTDI輸入量は計1,219MTと前月同水準であった。全輸入量の内、中国からの輸入量が89%を占めている。海外メーカーにとって日本市場向けは価格面で魅力的ではない状況は続いており、輸入される数量は今後も限定的と推定される。
MDI
MDI市況は、11月に入ると中国で中旬以降、Covestro(60万トン/年)、Shanghai Lianheng Isocyanates(35万トン/年、24万トン/年)、Wanhua Chemical(40万トン/年)が相次いで定修に入り、供給がタイトな状況になったが、中国国内での需要はあまり芳しくなく、クルードMDI価格はUS$1,750/MT、ピュアMDIはUS$2,350/MTと、10月よりわずかな上昇にとどまった。
また、東南アジアでは、クルードMDIの需要が改善されたが、価格はUS$1,750/MTと10月と変わらなかった。北東アジアでは、ピュアMDIの需要がいくらか持ち直したが、価格はUS$2,300/MTと10月よりわずかな上昇にとどまった。
12月に入っても中国国内ではCovestro及びWanhua Chemicalでの定修が継続、供給がタイトな状況は続いたが、需要が芳しくなかった為、クルードMDI価格は中国、東南アジア共に、US$1,750/MTと11月と変わらなかった。また、ピュアMDI価格は、中国でUS$2,250/MT、北東アジアでUS$2,200/MTと、共に11月よりUS$100/MT下落した。
PO
2023年12月の中国国内PO価格は、最終的にCN¥9,200/MTとなった。5月初旬に、中国POメーカーの一時的なプラント閉鎖により、中国国内価格はスポットで上昇したが、特に川下需要が低迷しているため、市況は徐々に下落した。供給面では、潤沢に玉が余っているわけではないが、需要が回復しておらず、1月も横ばいに推移することが予想される。
PPG
2023年12月の中国国内PPG価格は、US$1,060/MTとなった。引き続き中国国内向け需要はあまり芳しくなく、東南アジア向けも同様に需要が回復していない。PO市況は4月にスポットで上昇したが、川下需要の低迷から、PPG市況は横ばいに推移した。PO価格が高騰することは考えにくく、引き続き中国・東南アジアでウレタン需要が回復しなければ、PPG価格も横ばい、もしくは徐々に下落することが予想される。