三井化学株式会社は2024年2月27日、難黄変性塗料に使用される硬化剤の需要増に対応するため、大牟田工場内のメタキシリレンジイソシアナート(XDI)プラントの生産能力を増強することを発表しました。これにより、国内生産能力が20%向上します。
XDIは、三井化学が世界で初めて商業生産を行ったイソシアネートです。XDIは、高屈折率で耐久性に優れたレンズ材料として広く認められており、耐黄変性と速硬性に優れていることから、コーティング剤や機能材としても広く使用されています。今後、生活の質向上のニーズや混合材料からのシフトにより、XDIの需要はさらに拡大することが予想されます。特に、厳しい安全基準が求められる食品包装用の接着剤、太陽電池やスマートフォンに使用される特殊インキやコーティング材、安全性も求められるマイクロカプセルなどでは、XDIが求められています。三井化学はこのような需要増に対応するため、大牟田工場内のXDIプラントを増設します。
三井化学の長期事業計画「VISION 2030」には、コンバーティングソリューション分野における環境に優しい需要に応えるという目標が掲げられています。今回の増設により、三井化学は供給体制の強化を積極的に進めていきます。
増設の概要は以下のとおりです。
大牟田工場 増設概要
- 製品名:メタキシリレンジイソシアナート(XDI)
- 設置場所:大牟田工場(福岡県大牟田市)
- 増設後の生産能力:現在の生産能力より20%増
- スケジュール ・着工:2024年2月 ・竣工:2025年7月 ・操業開始:2025年9月(予定)