Mitsubishi Chemical Group(以下、MCGグループ)は、AEROXとの共同研究開発契約(JRDA)に基づく協業の結果、バイオマス由来のポリカーボネートジオールであるBENEBiOL™が、AEROXの風力タービンブレード保護用ポリウレタンコーティング:AROLEP® 940シリーズの原料として採用されたことを発表しました。これはBENEBiOL™が風力タービンブレードコーティング剤に使用された初めてのケースとなります。
BENEBiOL™は、MCGグループが先駆的に開発した、主にポリウレタン樹脂の主原料として使用されるバイオマス由来のポリカーボネートジオールです。AEROXのAROLEP® 940シリーズコーティングは、風力タービンブレードの前縁部を保護するために使用され、風雨による侵食に対する耐性が必要です。BENEBiOL™をこれらのコーティングに組み込むことで、最も過酷な沖合条件下でも従来製品を上回る優れた耐侵食性を発揮し、ブレードのメンテナンス頻度とコストを削減することが期待されます。
MCGグループは、今後もBENEBiOL™をさらに発展させることで、より付加価値の高い製品を提供し、持続可能な社会の創造に貢献していきます。
AEROXについて
AEROXは、スペインのバレンシアに本社を置き、中国と米国に子会社を持つ2014年設立の企業で、風力産業向けポリマー材料の主要サプライヤーになるというビジョンを掲げています。風力タービンのローターブレード用の優れた材料の設計と製造に焦点を当て、再生可能エネルギー分野におけるイノベーションと持続可能性の推進に取り組んでいます。
BENEBiOL™について
BENEBiOL™は、バイオマス由来のポリカーボネートジオール(ポリウレタンの原料)です。「顧客に付加価値を提供する画期的で前例のない製品を開発する」というコンセプトに基づき、試行錯誤を重ねて開発されました。BENEBiOL™は、バイオマス由来材料を使用することで全く新しい化学構造を持ち、バイオマス含有率は最大93%に達します。さらに、従来の石油由来PCDを上回る耐久性と耐薬品性を有しています。自動車、家具、アウトドア用品などの塗料やコーティング、エラストマー、合成皮革や人工皮革の材料として使用されています。