世界最大の化学メーカーであるBASFとメルセデス・ベンツは、ポリアミド粒子発泡体「Ultramid® Expand」の共同開発により、2024年SPEオートモーティブ・アワードの「イネーブラー技術」部門で2位を受賞しました。この革新的な衝撃吸収材は、メルセデス・ベンツの技術プログラム「VISION EQXX」のために開発されたもので、自動車の安全性と効率性に革命をもたらすことを目指しています。
従来、自動車の衝撃吸収材は、重くて高価な金属構造に頼っていました。しかし、Ultramid® Expandは、衝突時のエネルギー吸収を高めながら重量を大幅に削減することで、優れた代替となるでしょう。このポリアミド粒子発泡体は、厳格な自動車基準を満たすだけでなく、製造工程を合理化することで、従来の金属製ソリューションと比較して費用対効果が高くなっています。
自動車用途の厳しい要件に耐えるように設計されたUltramid® Expandは、その堅牢な耐熱性により、ボディー・イン・ホワイト塗装工程や自動車構造体内への組み込みに優れています。ポリアミド6をブレンドした組成により、発泡廃棄物を発生させることなく効率的な成形が可能です。この機能により、既存の設備での加工が容易になり、製造効率がさらに最適化されます。
さらに、この発泡体はオーバーモールドに適合するため、汎用性が向上し、ライフサイクル終了後に熱可塑性プラスチックシステムとして完全にリサイクル可能なハイブリッドコンポーネントの作成が可能になります。この特徴は、部品の耐久性を損なうことなくクローズドな材料サイクルを促進することで、BASFの持続可能性へのコミットメントを強調しています。