Covestro AGはドイツ・レバークーゼンに拠点を置いています。現在アブダビ国営石油会社(Adnoc)による買収プロセスが進行中で、2024年通年のEBITDA見通しを修正しました。この修正は、主要事業セグメント全体での収益の弱含みを予想した結果で、直近の7月の予測上限値を引き下げる形となります。ただし、Covestroは第3四半期に4四半期連続の純損失から黒字転換を果たしました。
見通しの修正
Covestroは2024年の年間EBITDAを、従来の上限€1.4億から引き下げ、€10億から€12.5億の範囲になると見込んでいます。2023年の年間EBITDAは€10.8億で、当初は最大€16億に達する可能性があると予測していました。
パフォーマンスマテリアルセグメントでは、EBITDAの見通しを€4億から€6億とし、7月の予測上限から€1億を引き下げました。一方、ソリューション&スペシャリティーズセグメントでは、EBITDAが2023年をわずかに下回ると予測され、前年並みを維持するとした以前の見通しが修正されました。
Covestroは、これらの修正について「厳しい経済状況が続いているため、EBITDA見通しを引き締める必要がある」と述べています。
Adnocによる買収プロセス
Adnocは2024年10月25日に公開された買収提案書の中で、Covestroの全株式を1株€62で買収する意向を示しました。この提案書は両社の取締役会によって慎重に検討される予定で、承認されれば受け入れを推奨する見込みです。
第3四半期の業績概要
Covestroは第3四半期に純利益€3300万を記録し、前年同期の純損失€3100万から黒字転換しました。また、売上は前年同期比1%増の€36億を計上し、アナリスト予測であった純損失€1540万を上回る結果となりました。EBITDAも3.6%増加し、€2.87億に達しました。この増加は主にヨーロッパ、中東、ラテンアメリカ、アジア太平洋地域での販売量の増加によるものです。一方、原材料価格の低下により販売価格は引き続き低迷しています。
セグメント別のパフォーマンス
- パフォーマンスマテリアル: 売上は前年同期比4.1%増の€17.8億、EBITDAは47.1%増加し、€1.25億に達しました。市場の供給過剰による価格圧力があるものの、販売量の増加が利益を押し上げました。
- ソリューション&スペシャリティーズ: 売上は2.0%減の€17.7億で、平均価格が4.9%下落したことが影響しました。EBITDAは15.4%減少し、€2.08億にとどまりました。
Covestroは主要顧客産業の2024年見通しも修正し、世界的な自動車需要は電気自動車の需要低迷と高在庫の影響で0.5%減少すると予測を変更しました。一方、建設セクターは-2.5%の成長率を維持し、電機・電子機器・家庭用電化製品産業については4.2%の成長に見通しを引き上げました。