ミンダナオ州立大学イリガン工科大学(MSU-IIT)のサステナブルポリマーセンター(CSP)の研究チームは、硬質ポリウレタン(PU)フォームの製造において、ココナッツオイルをポリオール成分とした新しい反応経路を発見しました。このハイブリッドフォームは、断熱材や構造用建築材料として大きな可能性を示しています。また、フィリピンに豊富にあるココナッツオイルは、ココナッツのサプライチェーンにおける付加価値を高める機会にもなります。
従来のPUは再生不可能な化石燃料を原料としており、この非生分解性物質の工業的規模での生産は、環境に大きな危険をもたらすものでした。化石燃料の枯渇が急速に進む中、持続可能で再生可能、かつ環境に優しい代替原料を模索するPU製造業界の懸念に、ココナッツオイルの利用が応えることを期待しています。
本研究は、Roger Dingcong氏とDave Joseph Estrada氏を主著者とし、化学工学科のArnold Lubguban教授とRoberto Malaluan教授、物理学教授で本学研究部長のArnold Algunoが論文の主執筆者として、英国王立化学会の学術誌の1つであるRSC Advances (RSC Adv., 2023, 13, 1985) に掲載されています。
また、本研究の特許出願は、昨年出願された他の6つのCSP開発技術とともに、特許出願番号12022050671でフィリピン知的財産庁(IPOPHL)に最近提出されています。